どこの歯医者に行くかで口腔内の人生が決まるというスケールの大きい話(歯周病編)
- OMI .LLC

- 2025年12月15日
- 読了時間: 6分
更新日:1月8日
なぜならば歯周病は生活習慣病だからです。
~人生を変える歯科知識(歯周病編)~
目次

①何はともあれ歯ブラシ・歯間ブラシが大事だという話
歯周病の原因はプラークです。朝起きた時、歯と歯茎の境目の歯側を爪楊枝で擦ると白いカスがつくと思います。それがプラークです。口腔内の細菌が24時間で固まったもので歯の表面や歯と歯ぐきの境目に付着します。食べ物のカスではなく、1mgあたり1億個以上の細菌が含まれており、むし虫歯や歯周病の直接の原因となります。
これを少なくとも毎日1回本気でとることが根本的な歯周病の治療であります。まず何を使うかがとても大切です。EFPのガイドラインでは歯ブラシと歯間ブラシを使うことを推奨しております。
⭐︎「歯ぐきのため」に歯を磨く
歯ブラシは歯を磨く道具と思われがちですが、実は「歯ぐきのきわ」をきれいにするための道具です。
『歯と歯ぐきの境目』『歯周ポケットの入り口』ここにプラークが最もたまり、歯周病が始まります。
⭐︎プラークは歯ブラシでしか取れない
プラークはベタベタして歯に強くくっついています。
うがい → ❌ ほとんど取れない
マウスウォッシュ → ❌ 表面の菌は減っても、プラーク自体は残る
歯ブラシ → ⭕ 直接こすって除去できる
📌 プラークを物理的に落とせるのは歯ブラシだけです。
⭐︎歯磨き指導はオーダーメイドである
客観的に評価し、歯列にあった磨き方をまずは知りましょう。
歯ブラシに奇跡などなく、basicで確立されたな磨き方を教わり・それを生活習慣にするのが良いでしょう。
歯ブラシができていないのに歯石を取っても根本的には意味がないので、歯周治療を行う前に歯ブラシのレベルを向上させることが実は歯周病を治すための近道となります。

②必要な治療がなされているか・不必要な治療がされていないか
歯石とりは歯茎の上の歯石とり(縁上のコントロール)と歯茎の中の歯石とり(縁下のコントロール)に分かれます。どちらの処置が必要かもしくは不必要かは歯周ポケットの深さできまります。歯周ポケット深さが深いのに中までされていないとき、もしくは浅いのに中までされるとより悪化するので注意しなければなりません。歯茎の検査の結果・レントゲンはしっかり説明してもらいましょう。
🔹 1~3mm
・健康~軽度歯周炎
・基本はTBI(ブラッシング指導)中心
・歯石とりは必須ではないが、歯石があれば実施(あくまでも縁上のコントロール)
古い研究では、浅い正常な歯肉溝に対して繰り返して歯茎の中の歯石とり(縁下のコントロール)を行うと、付着損失および骨吸収が生じる可能性を示したものがあります。つまり表面の歯石のみ取り除くことが推奨され、歯茎の中に器具を当てすぎると逆に歯茎が下がってしまう可能性があります。
🔹 4mm
・軽度~中等度歯周炎
・縁上と縁下のコントロールを行えば十分効果があり、治る可能性が高い
🔹 5mm
・中等度歯周炎
・縁上と縁下のコントロールだけだと限界があり、歯石の取り残しのリスクがあ
る。
・患者さんの歯ブラシが上手であれば炎症の改善は期待できるが、完全な治癒は難しいことも
🔹 6mm以上
・中等度~重度歯周炎
・縁上と縁下のコントロールだけでは不十分なことが多い
・歯周外科(フラップ手術など)を検討。ただし「初期治療として縁上と縁下のコントロールを行う」こと自体は多い。

③「悪い歯は定期検診で様子見しましょう」に対して様子見できる・できないの境界ラインについて説明があったか
様子見するメリット・デメリットを踏まえ、どうなるまで様子見、どうなったら治療(その際、治療は抜歯かもしれませんが)を決める必要があります。

例えばこのレントゲン写真の真ん中のインプラントですが明らか両端のインプラントと比べて歯周炎があり骨を失っております。治療となれば抜去もしくは再生療法が必要となりますが
<様子見するメリット>
治療をしなくて済む
<様子見するデメリット>
徐々に歯周病が進行していき、周りのインプラントまで巻き込む可能性がある
上記の二点を踏まえて、両端のインプラントの周囲の骨に影響が出そうになるまで様子見する。のような折り合いをつけるところまで最初に話をしておく必要があると考えます。

④遺伝について
歯周病は遺伝します。
ご両親が入れ歯だったりするなら自分も歯周病リスクが高い可能性がありますので一度検査をしてみることをお勧めします。
定期検診の目的は現状維持とプラコンが確立できているかどうかです。
お掃除ももちろんしますが病院依存型の定期検診にならないことをお勧めします。

⑤横向きの親知らずについて
親知らずが横向きに生える主な原因は、顎の骨に十分なスペースがないことです。理由は、現代人の食生活と考えられています。
昔と比べて、現代人は柔らかい食べ物をよく食べるようになりました。咀嚼能力が低下し、顎の骨が発達しにくくなったのです。
しかし、歯のサイズは大きく変わっていないため、親知らずが生えるスペースが不足して横向きに生えます。詳しくは後述しますが、横向きに生えた親知らずはさまざまな問題を引き起こすため、抜歯するのが一般的です。
親知らずが正常にまっすぐ生えており痛みがない場合は、抜歯の必要はありません。
一般的に健康であれば歯根の周りには歯根膜と歯槽骨が存在します。親知らず (第三大臼歯)が横向きにはえていて、その歯の頭が手前の第二大臼歯の歯根に接触している部位は歯槽骨が存在しません。つまり生え方が原因でその接触部位が歯周病になっているというわけです。それを智歯周囲炎といいます。痛みがなくても放置すれば徐々に進行していきますので、進行の抑制のために早期に抜歯することを推奨します。
智歯周囲炎は、親知らずの周囲の歯肉に炎症が起こる病気です。歯と歯の間に詰まった細菌によって引き起こされます。強い痛みや歯茎の腫れなどの症状が現れるでしょう。重度に進行してしまった場合は第二大臼歯まで抜歯をしないといけなくなる可能性もありますので要注意です。

⑥喫煙について
喫煙は歯周病を「起こしやすく・治りにくく・気づきにくくする」、歯周病にとって最も大きな危険因子の一つです。
⭐︎歯周病になりやすくなる
タバコに含まれるニコチンにより歯ぐきの血管が収縮し免疫細胞が働きにくくなります。
⭐︎歯周病治療を行なっても治りが悪い
喫煙者は非喫煙者と比較して歯周病治療に対する治りの反応が悪いことが研究によりわかっています。
⭐︎気付きにくい
喫煙者は歯ぐきの血管が収縮しているので歯肉に炎症があっても出血しないので自分自身では気付きにくいです。痛みが出てきた時にはもう手遅れになっていることも多々あります。

参考文献
Scaling and root planing in shallow pockets
J Lindhe, S Nyman, T Karring
Healing of the dento-epithelial junction following subgingival plaque control. II: As observed on extracted teeth
J Waerhaug
The effect of smoking on periodontal treatment response: a review of clinical evidence Heasman L, et al.
Comparative Effects of E-cigarette Smoking on Periodontal Status, Salivary pH, and Cotinine Levels July 2024BMC Oral Health 24(861):1-8
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